kintoneのルックアップは、参照先アプリ(マスタ)の値をレコードへコピーして取得する機能です。品番マスタの単価や取引先の担当者を変えても、取得済みの値は変わりません。この仕組みを知らずに運用すると、品番改訂や単価変更のあとに古い値が残ったまま気づかない、というつまずきが起きます。
品番・単価を直しても、取得済みのレコードは変わらない
公式ヘルプには「マスターデータ(参照先)となるアプリのレコードに変更があっても、ルックアップで取得済みの値はそのまま維持されます。自動的に最新の値にはなりません。再度[取得]をクリックすると、最新の値に上書きされます。」とあります。ルックアップは一度きりのコピーで、参照先と同期する仕組みではないためです。
製造の現場では、品番マスタの単価改訂のタイミングでこれが起きます。見積や受注に単価をルックアップで取り込んでいても、過去のレコードには古い単価が残り、再取得したレコードだけが新しい値になります。改訂が少なければ標準で足りますが、頻度と対象が多いほど負担になります。
品番コードを使い回すと、まとめて直す・選び直す場面でつまずく
改訂のたびに新しい品番コードを発行せず、同じコードで仕様だけ変える運用では別のつまずきが起きます。公式ヘルプには「フィールドの値が、マスターデータ(参照先)となるアプリ内で重複している場合、ファイルの読み込み時に対象レコードが特定できないため、値を更新できません。」とあり、CSVの一括更新がキーの重複で止まります。取引先コードを使い回す場合も、キーの一意性が更新の成否を決めます。
マスタのレコードを削除する前に、自分のアプリで確かめておきたいこと
参照先のレコードを削除した場合や、アクセス権で見えない場合に取得済みの値がどうなるかは、公式ヘルプに記載が見当たりません(2026年10月時点)。変更前に、テスト用レコードで「取得」を押し直し確かめておくと安全です。
テーブルの中に置いたルックアップは、コピー先がそのテーブルの中に限られる
サブテーブルの行ごとに品番ルックアップを置く場合も制限があります。公式ヘルプには「[ルックアップ]フィールドを[テーブル]内に配置した場合、取得したデータのコピー先に指定できるのは、[ルックアップ]フィールドと同じ[テーブル]内に配置されたフィールドのみです。」とあり、テーブル外へのコピーも、テーブル外からのコピー元指定もできません(2026年10月時点)。テーブル外の集計に使うには、別フィールドで計算するか、テーブル外でもう一度ルックアップを組む必要があります。
品番・取引先のマスタをルックアップで使うなら、変更がどこまで反映されるか、改訂や削除の前に確かめておくのが近道です。


